離婚原因で最も多いものは「婚姻を継続し難い重大な事由」の「性格の不一致」だとされています。

法定離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、婚姻関係が深刻に破綻し、婚姻の本質に応じた共同生活が回復できないと判断されるものです。

 

「婚姻を継続し難い重大な事由」では、次のようなものがあります。

・性格の不一致
性格が単純に合わないということではなく、それによるトラブルなどから夫婦関係が破綻したと判断されるときです。

・暴行・虐待・侮辱
配偶者による暴力・暴言、モラルハラスメント(精神的な暴力、嫌がらせ)、家族への虐待などです。
身体的暴力だけではなく、生活費を著しく制限、外出を制限する、行動を監視する、長期間無視するなどといったものも含まれます。

・性的な問題
セックスレス、性生活の異常などから関係が悪化、婚姻の継続が難しい状態になった場合などです。

・著しい浪費や借金
ギャンブルや遊行などによる浪費、そこから借金をくり返す、生活費を使い込むなどで夫婦関係の継続が難しい場合です。

・宗教
配偶者や子供を無理に同じ宗教に入らせようとしたり、宗教活動にかかりきりで家庭をかえりみず、夫婦関係が破綻したといったものです。

・親族との不和
義理の両親や親族との対立・不和などから、夫婦関係が破綻したときです。
トラブルで一方的に両親や親族側に立つ、関係解消に協力しない、話し合いに一切応じないなども含まれます。

・犯罪
重大犯罪による服役や、犯罪を繰り返して懲役刑を受けているなどで、関係修復が困難と判断されるものです。

「婚姻を継続し難い重大な事由」で明確な基準はなく、婚姻中におけるそれぞれ状況や、婚姻継続意思があるかどうか、それぞれの健康状況や職業・資産収入、子供の有無など、婚姻関係での事情を総合的に判断する形になります。

 

ただし、「婚姻を継続し難い重大な事由」の中には、浮気がからむものも少なくありません。

周囲に浮気を知られたくない、浮気で離婚は今後にさしつかえるなどの理由から、「婚姻を継続し難い重大な事由」の「性格の不一致」での離婚としているケースもあります。

他にも、こういったケースがあります。

「配偶者の浮気がわかった後で復縁したが、それから関係がうまくいかず、数年後に性格の不一致として離婚した」

「配偶者が浮気相手に貢ぎ、浪費と借金をくり返した。その後、確かな浮気の証拠がなかったので、有責が追求できず。仕方なく、浮気ではなく性格の不一致として離婚した」

「浮気相手と別れてから夫婦喧嘩や暴力があり、やり直せないと判断しての離婚になった」

浮気からの復縁がうまくいかず、離婚となるときは、浮気の証拠が有責の証明として重要になります。